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薬やワクチンの開発について教えます!

2020年08月10日

現在は多くの種類のワクチンや抗生物質が開発されていますが、基礎研究からスタートして新たな医薬品を創り出すためには、10年以上の長い年月と数百億円以上の開発費が求められます。現在は抗菌薬やワクチンによって細菌感染症で命を落とす人が激減しましたが、薬の有効成分を見つけるためには多大な労力と費用が必要です。

医薬品を新たに開発するためには、基礎研究、非臨床試験、臨床試験(治験)、承認申請、製造ラインの設置や追跡調査、のプロセスを経て完成します。人命を救うためには単に有効成分を見つけるだけでは不十分で、安全性の確認や投与方法(錠剤などの固形剤や注射薬など)、量を決めて商品化させる必要があります。

基礎研究(2~3年)では、天然物(動植物、鉱物)や合成物質などを使ってスクリーニングが行われます。分子構造を設計して、人工的に新たな化学物質を生み出す場合もあります。有効成分の候補となる化学物質が見つかったら、非臨床試験に入ります。非臨床試験では3~5年をかけて、動物や培養した人間の細胞などを用いて薬効の確認や危険性、薬物の動態(体内で分解されて排出されるまでの過程)などを調べます。

非臨床試験をパスしたら、実際に人間に投与して安全性や治療効果を確認するための臨床試験に進みます。臨床試験(治験)は3段階で、最初に健康な人に投与して、分解から排泄されるまでのプロセスや安全性の確認が行われます。次に少数の患者に投与して、治療効果を確認するほか、投与量や投与方法、投与期間などを決めます。最後に多くの患者に投与して、副作用の発生頻度や薬の効果について調査が行われます。臨床試験だけで、3~7年もの年月がかかります。

治験の結果をもとに、各国の保健当局に承認を申請して製造及び販売許可を得ます。薬事承認が得られたら、有効成分を錠剤やカプセルなどの固形剤や注射剤、顆粒、軟膏などに加工するための製造ラインを構築します。工場の製造ラインが完成したら製造と販売が開始され、新たな薬が誕生します。

莫大な開発費を回収するために、開発メーカーは特許を取得する必要があります。特許が認められるためには、新たな有効成分が既存の製品よりも優位な点(効果や安全性)を備えていることが求められます。仮に従来品よりも低コストで製造ができたとしても、既存の製品と比較して新規性または進歩性が認められないと特許として認められません。そのため、臨床試験(治験)では従来品と比較して有利な点を見つける作業も実施されます。