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HIV(エイズ)はもう不治の病じゃない!治療法の進歩について

2020年05月28日

エイズは1980年代に米国で存在が確認された、比較的新しい性感染症の一つです。エイズの病原体はHIVと呼ばれるウイルスで、ウイルスが人間の免疫細胞を破壊して免疫力が弱くなると発病します。HIVは免疫システムを破壊することから治療薬の開発が難しく、昔は不治の病として恐れられてきました。現在は治療技術が開発されているため、治療薬を服用し続けることで免疫システムの破壊を防いで、エイズが発症しないようにすることができます。それでも体内のウイルスを排除して完治させることができないため、治療を中止すると発症して死に至ります。

1996年に複数の抗HIV薬を組み合わせた治療方法が発見され、現在は複数の抗ウイルス薬が開発されています。昔は1日に何回も薬を服用する必要がありましたが、現在は1日1回のみの服用で発症を抑えることができます。ちなみに現在エイズ治療に使用されている抗HIV薬のほとんどは、日本人研究者(満屋裕明博士)によって発見されたものです。現在も多くの研究者によって治療技術の研究開発が進められており、今後も効果的な治療薬が実用化される可能性があります。

現在は治療薬の他にも、感染や発症を予防するためのワクチンの開発も進められています。HIVは免疫細胞に感染することや、変異しやすいというという特徴があり、感染を予防するためのワクチン開発は極めて困難です。このため、感染予防ではなくて発症を防ぐためのワクチンの開発も行われています。現在は数種類のワクチンの臨床試験が実施されていますが、限定的に感染を予防する効果が認められているものもあります。今後臨床試験で有効なワクチンが発見されたら、ワクチン接種でエイズを予防することができるようになるかもしれません。

エイズの治療技術は急速に進歩していますが、現状では体内のウイルスを完全に排除して完治させることは不可能です。HIVは遺伝子が変異しやすいという性質があり、薬剤耐性を獲得しやすいという問題があります。抗HIV薬を服用して治療を受ける場合、たった1回でも薬を飲み忘れるだけでもウイルスが耐性を獲得して薬が効かなくなってしまいます。使用可能なHIV治療薬の種類は限られているので、エイズで死なないためには、毎日欠かさず確実に薬を服用し続けることが患者に求められます。今でもエイズが不治の病であることに変わりがないので、感染をしないことが最善の予防策といえます。